参加型システム研究所に関連する講演やフォーラム等の録画ならびに資料を公開しています。
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基調講演 :渡辺 里香 氏(ピースボート 国際コーディネーター)
広島・長崎のヒバクシャを先頭とした市民活動ならびにNGO、国際機関、有志の国々の連携によって、核兵器禁止条約は2020 年10 月に批准した国が発効要件である50 か国に達し、ついに2021 年1 月 に発効しました。 核保有国は核禁止条約の存在を無視できない状況になってきていますが、一方で核を巡る国際情勢は、未曽有の危機に直面しており、同条約を推進するグローバルサウス、新興・途上国との連携が何より重要であると捉えられます。核兵器禁止条約ができるまでの経過と背景、特徴、発効後の課題な どについて、世界30 カ国以上で被爆者の証言通訳や政府高官との面会をコーディネートしてきたご経験を踏まえてご意見をいただきます。
基調講演 :貴戸 理恵氏(関西学院大学教授)
今日、市場原理に基づく教育の捉え方が広がるなか、「多様な進路」の一環としての不登校と、貧困や障害などが絡むいわゆる「漏れ落ちた」不登校の二極化が起きているように捉えられます。前者は多様性の確保が、後者には福祉的介入が必要で、いっしょくたに不登校の問題とみなすことはできません。多様な学びの選択肢があり自分に合ったやり方を選べることは大事ですが、「選択」が自己責任に結びつき、問題を個人で抱え込まされる点で別の「いきづらさ」もあります。 社会的背景や親や支援者といった共感的な伴走者の人たちの立場も踏まえ、不登校運動・研究の視点から不登校をどのように考えればよいか共有します。
<パネルディスカッション>
テーマ:多様な居場所・学びの場を地域につくる――子どもを枠にはめない多様な取組み
■パネラー 米澤美法氏(藤沢子どもの多様な学び応援団代表、NPO法人自由創造ラボたんぽぽ代表理事) 水信理恵氏(NPO法人居場所そら代表理事) 廣瀬貴樹氏(一般社団法人かけはし代表)
講師 :藤井 敦史氏(立教大学コミュニティ福祉学部教授)
「コミュニティを強くし、少しずつ改善することを生み出すことができる人々のパワーを基盤 とした組織をつくる」「自分たちで力を合わせ問題を解決する」「普通の人々が力を合わせ社会変 化を生み出すこと」を意味するコミュニティ・オーガナイジングという社会変革の方法論があり ます。また、地域で社会をつくり直すことをめざして実践する共同体がたくさん広がり、つなが ることで幸せな経済をつくる社会的連帯経済という概念があります。共通の目的や関心をもつ 人々が、自発的に作る集団や組織であるアソシエーションは、社会的連帯経済の実態化に向けた 運動そのものであると捉えられます。新自由主義的な資本主義にコロナ禍が追い打ちをかけてい る現代社会において、地域社会でオルタナティブな「経済」、生命や生活を支えるサブシステンス・ エコノミーをいかにつくるか。コミュニティ・オーガナイジングや社会的連帯経済が世界で広がっ ている最新の状況も踏まえ、今後の社会のめざすべき方向性や展望についてご意見を頂きます。
テーマ:子ども・若者ケアラー支援の現状と課題
「子ども・若者ケアラー」の長期に及ぶケアは、子ども・若者の現時点の生活だけではなく、将来の人生設計全体に計り知れない影響を及ぼします。切れ目ない、長期的かつ一貫した支援が必要であるとする視点から、当事者の声を出発点にした、ケアラー支援の課題と今後についてご意見をいただきます。
てい談:市民参加による子ども・若者支援の活性化に向けて
■パネラー兼コーディネーター:中嶋圭子氏
■パネラー:斎藤真緒氏・沖村有希子氏
講師:相馬直子 氏 (横浜国立大学教授)
高齢化と晩婚・晩産化により、子育てをしながら親の介護をするという状況=ダブルケアが特別なものではなくなってきました。しかし日本では、育児と介護を同時にサポートする体制がない、ダブルケアを行うことで働く機会や時間を奪われ生活できない等、様々な問題が発生しています。ダブルケア(ケアの複合化)が負担ではない、人間らしい働き方・生き方が可能な社会を展望するためにどうしていけば良いかを共に考えます。
講師:上西 充子 氏 (法政大学キャリアデザイン学部教授)
閉鎖的な家族や職場等におけるジェンダー(社会的性差)に基づく制度や規則、社会規範が今日でも跋扈し、押し付けられた役割や言葉の呪縛に多くの人が苦しんでいます。そして、貧困や孤立、虐待、ハラスメントなどが追い打ちをかけています。私たちを委縮させる呪縛の言葉をかき消す別の言葉、自らの声を取り戻す言葉、見えていなかった別の未来を展望させる言葉等を、意識的に豊かに社会化していく必要があると考えます。また、「できない」「たすけて」と言え、受けとめられる社会をどのようにつくっていったらいいか。ともに考える機会としたい。
テーマ:生命と生活に欠かせない社会的共有財(コモンズ)を取り戻すために
市場における利潤追求のもとで、侵食され続けている社会的共有財(コモンズ)を取り戻すためには、地域社会で多様化する生命と暮らしのニーズに対応する、コミュニティに開かれた協同的なネットワークと、「共に働く」場をつくっていくことが必要です。地域の中で求められるニーズを掘り起こし、ケアの受け手と担い手の双方の尊厳を守り、生み出された価値を共有し、分かち合い、それらをコミュニティで循環させていく。こうした地域を自治するアソシエイティブな協同運動の事例を踏まえ、エッセンシャルワークを超える協同労働の可能性と展望について考えます。
てい談:生命や生活を大切にする地域をつくる活動、働き方
~子育て、食・農、まちづくりの現場から~
■パネラー兼コーディネーター:田中夏子氏
■パネラー:上田祐子氏・池島祥文氏
■コメンテーター:小林麻利子氏
講師:本田由紀氏(東京大学大学院教授)
日本社会のほころびがコロナ禍でさらに露呈してきた。どんな方向に軌道修正をしていけばよいのか。教育・仕事・家族が循環していた従来の日本的社会モデルが破綻するプロセスと要因を分析し、それにかわる新しい社会像を、今日の若者のあり方や働き方改革等も踏まえて、社会を結びなおすための見取り図を共有し、今後の地域社会、市民社会のあり方を考える機会としたい。
基調講演 : 内山節氏(哲学者)
新しい共同の世界をつくるために With コロナの時代において、社会にある不平等やジェンダー、民族や国籍などによる分断・差別があらわになる中で、私たちは平等で公正な共同の世界をつくるために社会に出ていかなければなりません。 それは世界的な感染が広がる中で食料を海外から奪うのではなく、地域で農業をはじめとする一次産業、医療、生活・福祉、環境、お互いが違いを認め尊重しあい、共に生きる多文化共生など、生命と多様性を大切にする自発的で重層的な市民活動が営まれ、「支えあい、 助けあい」の市民力が息づき循環する社会、コミュニティや地域自治を含めた、平和と安心を享受できる社会の建設です。 市民は今、社会の現状をどのように捉え、行動していけばよいか。「研究フォーラム 2020」をとおして共に考える契機としていきましょう。
てい談資料①はこちら てい談資料②はこちら てい談資料③はこちら
てい談:withコロナの時代における多文化共生社会の課題と展望
■コーディネーター:菅原敏夫氏
■パネラー:鈴木江理子氏・海田祐子氏・内山節氏
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